ビーズ織りについて

 16〜17世紀頃にかけて、ヨーロッパではイタリア、オランダ、ボヘミア地方などにビーズ工場ができ、大量にビーズが生産されるようになりました。そして工場で生産されたビーズは交易品の一つとして世界中へ広がっていきました。
 それまでアメリカ北部に住むネイティブアメリカンは植物の繊維などから作った紐とビーズを使って装飾品を作っていましたが、ヨーロッパからカラフルなグラスビーズや糸がもたらされると、それらを使い編んだり、織ったり、刺しゅうしたりして装飾に利用し始めました。
 その後アメリカに渡ったヨーロッパ人により、それらのビーズ装飾品がヨーロッパにもたらされると、それらをもとに手法の研究、図案のアレンジなどが重ねられ、ついにヨーロッパの人々に好まれるようなエレガントなビーズバッグやアクセサリーに姿をかえることになりました。
 19世紀の終わりから20世紀半ばにかけて、ヨーロッパの女性達の間でグラスビーズやメタルビーズで織られたバッグやポーチが大変流行しました。
 この美しく輝くバッグを持って、華やかに着飾り社交の場に出かけることは、当時の女性達の楽しみだったことでしょう。
 現在ではビーズ織り機やビーズが手に入りやすく、身近な手芸としてビーズクラフトファンに親しまれるようになっています。一粒一粒丁寧に織ったアクセサリーやバッグは、既製品にはない個性を表現することができます。
 小さなビーズから広がる華麗な世界をお楽しみ下さい。